すずきのいろいろブログ

アクアリスト兼ソムリエのWSETまとめや日常。

【ワイン】クローン選抜とかよく聞くけどクローンって?

こんにちは。アクアリウムにはまっているソムリエのすずきです。自宅の近くは雨、湿気が嫌ですが久しぶりの雨な気がします。

 

f:id:suzukisan_hamwine:20190921232152j:plain

長野のワイン畑 2016夏 昔の写真ですが…

今日のテーマは<クローン>
私はSF的なイメージしか持っておらず、身近に感じていなかったワードですがワインをかじってからはすごくお近づきになれたと思っています。
そんなクローンについてわかりやすくまとめます。

 

クローンとは?

SF的だと勝手に思っていたクローンですがWikipediaさんで見てみると…
⇒クローンとは同一の起源を持ち、…(中略)…本来の意味は挿し木である。

クローン - Wikipedia

そう、挿し木が元々の意味なのです。ぶどうの木の増やし方は挿し木か取り木。したがってほとんどのワインはクローンです。

 

これを踏まえた上で<クローン選抜>という言葉を見ると<挿し木の選抜>遺伝子的には同じですが挿し木をして順調に育ついいやつ丈夫なやつを選んでいくことになります。挿し木で増やしてもたまに変わったやつが出てくるためです。
そうして品質がよく育てやすいぶどうが厳選されていくわけです。

そしてびっくりするくらいの特徴を持って挿し木から生まれたタイプは新しい品種として定着します。突然変異です。ピノ・グリなどはピノ・ノワールのクローンから生まれた品種です。

 

クローン以外で出来た品種はないの?

あります。クローン以外で出来た…というよりは突然変異以外でできたのほうが正しいように思います。新しい品種を作るためにはクロッシングと呼ばれる方法で作られたタイプも多いです。クロッシングとは交配です。

WSETでは
クロッシング→同種交配
ハイブリット→異種交配 としています。ややこしいのですが、この同種や異種は品種のことではありません。(カベルネ・ソーヴィニヨン×ピノ・ノワールが異種ではない)
少しややこしいですが、ワイン用のぶどうの種はヨーロッパ系とアメリカ系に分かれます。詳しくは別にまとめてます。

 

つまり、ヨーロッパ系×ヨーロッパ系がクロッシング、ヨーロッパ系×アメリカ系がハイブリットです。アメリカ系×アメリカ系はワイン用では少ないですね。クローンの突然変異よりもいままでの歴史やワイン伝播のなかクロッシングで生まれた品種のほうが多いです。
このクロッシングで生まれたとされるのがカベルネ・ソーヴィニョンです。カベルネ・フラン×ソーヴィニヨン・ブランの掛け合わせだと言われています。

 

まとめ

クローンの語源(本来の意味)とは挿し木という意味であり、ぶどうの苗木はほぼ挿し木をして増やされています。その中で優良な木を残して挿し木していくのがクローン選抜なので我々が飲んでいるワインはおおよそクローン選抜されています。

このクローンの過程で突然変異を起こすと同じ遺伝子ながら新しい品種(ピノ・グリなど)が生まれることもある。

それ以外の品種は主にクロッシングという交配で自然、または人為的に生まれたものでる。(カベルネ・ソーヴィニヨンなど)

 

簡単にまとめてみました。なんとなく知ってたら楽しいワインの知識。普段は出すことないと思いますが、知ってたらかっこいいかも。